妊娠からママが気になるのは〝母乳っていつから出るのかな”〝ちゃんと出るのかな”ということ。また産後には、思ったように出なかったりすると〝母乳を増やすにはどうしたらいいのか”〝出し方ってあるのかな”と考えるママが多いです。
この記事を読むことで、母乳の仕組みや母乳を出やすく増やす方法などが分かるようになります。出ないときはどうするといいのかも知って、不安を解消し、思い描く理想の育児に近づけていきましょう。
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母乳は、いつから出る?
ママが妊娠に気づくか気づかないかという妊娠初期から、乳腺は産後に向けて発達を始めます。妊娠中にも、乳首を触るとジワッと乳汁が出るようになるママもいますが、妊娠中に出る出ないは産後に出る母乳量に関係ないと言われています。
妊娠中に全く乳汁がにじまないからと言って、がっかりする必要はありません。
母乳が本格的に出始めるには、産後に赤ちゃんの吸う刺激が必要になります。産後すぐに母乳は出ませんが、その時期に赤ちゃんが乳房を吸うことで、ママの脳に『母乳を作って!出して!』という指令がいきます。その指令が産後に何度もママの脳へ伝わることで、本格的に母乳の作られるスイッチがママの体の中でオンになります。
母乳が出るプロセスは次のようなものになります。
妊娠中の母乳の準備
妊娠中のホルモン(特にプロラクチンとエストロゲン)の影響で、乳腺が発達し、母乳の準備が進みます。妊娠後期には、少量の『初乳(しょにゅう)』が出ることがあります。この初乳は、黄色っぽく濃厚で、赤ちゃんの免疫をサポートする成分が豊富に含まれています。
初乳の分泌(出産直後)
出産後すぐ、特に分娩後の24〜48時間以内に、母乳の最初の段階である初乳が分泌されます。初乳は量が少ないですが、赤ちゃんにとって非常に重要な栄養素と免疫成分が含まれており、赤ちゃんの免疫システムを強化する役割を持っています。
人によっては、初乳分泌まで数日要すこともありますが、初乳がみられたら、一滴でも赤ちゃんには様々な効果絶大です。一滴でも飲ませてあげましょう。
母乳が本格的に出始める時期(生後2〜4日目)
出産から約2〜4日後、ホルモン(プロラクチンとオキシトシン)の影響で『本格的な母乳(成熟乳)』が分泌され始めます。この時期には、乳房が張り、母乳の量が増え、初乳よりも薄い色の母乳が出るようになります。この母乳は、赤ちゃんの成長に必要な栄養素を豊富に含んでいます。
人によっては本格的に出始めるのにもう少し日数を要します。特に、初産婦さんの場合は産院を退院する頃に分泌が増えてきたら順調と言えます。数日で出る量が少なくても落ち込まなくて大丈夫です。
母乳分泌を維持するためには頻繁な授乳が大切
母乳は、赤ちゃんが吸う刺激によって分泌が促されます。新生児期には、赤ちゃんに頻繁に授乳することで、母乳の供給量が安定します。授乳の頻度や赤ちゃんの吸い方によって、母乳の量が調整されていきます。
この時期、『出ないおっぱいを吸わせてかわいそう。』という言葉を時々聞きますが、かわいそうと思わなくてOK!赤ちゃんはママの母乳が出るまでの数日分程度をちゃんと蓄えて生まれてきます。吸うだけでも満足します。
母乳量が安定するまで、どれくらい?
母乳量が安定するまで2~4週程度かかるといわれています。ただ、文献によっては安定まで6~8週かかるといわれることも多く、安定するまでの期間は、個人差もあり、赤ちゃんに吸わせる回数や時間にも関係します。
基本は欲しがるときに欲しがるだけ吸わせる、1日に8回以上、つまり3時間に1回は吸わせることで母乳を出すホルモンがあがります。
母乳量が安定するまでのプロセスをみていきましょう。
母乳量が安定するまでのプロセス
1. 出産直後の初乳期(生後数日間)
出産後、最初に出る初乳は、量は少ないですが、非常に栄養価が高く、赤ちゃんの免疫をサポートします。初乳期の母乳量は少なめで、これが自然な状態です。
2. 生後2〜4日目:母乳の分泌が増加
出産から2〜4日後に、『本格的な母乳(移行乳)』が分泌され始め、乳房が張り、母乳の量が増えます。この時期は、母乳の供給がまだ赤ちゃんのニーズに完全に合っていないことが多く、ママによっては乳房が痛く感じることもあります。
この胸の張りを感じたら、張りや痛みを早く解決するためにも、この時期は冷やすのではなく頻回に1時間に1回でも吸わせることです。そうすると張りが落ち着くと、母乳量が増えます。(冷やして張りを落ち着かせた場合は、母乳量はあまり増えません)
3. 生後1〜2週間目:母乳の供給が調整される時期
頻繁に授乳することで、赤ちゃんの需要に合わせて母乳の分泌が徐々に調整されます。この段階で、母乳の供給が赤ちゃんの必要量に近づくようになっていきます。
4. 生後2週間〜1ヶ月:母乳量が安定する
赤ちゃんが吸う刺激と授乳の頻度によって、母乳の量はさらに安定していきます。約2週間から1ヶ月経つと、赤ちゃんのニーズに合わせた母乳量が安定し、多くの場合、この頃には授乳のリズムもつかめてきます。もう少し日数を要する場合もあります。
母乳の出し方・増やし方
頻回に授乳する
1日8回以上、3時間に1回は吸ってもらうこと。母乳の場合は3時間も持たないことが多いので、2時間程度で欲しがることも多く、欲しがったときに頻回に吸わせるのがコツ。特に新生児期は、1日10~12回程授乳している方も多いです。
しっかり乳輪までくわえさせる
母乳を飲ませる=乳首を吸わせると思われがちだけど、乳首だけではママの乳首が痛いだけで母乳は出ません。母乳は乳輪(乳首の周りの色がついている部分)を赤ちゃんが舌でキュッキュッとすることで出てきます。下の画像を見てください。赤ちゃんの唇は上下しっかりペロンと開いて乳首周りの乳輪までしっかりお口の中に入っています。
ママが疲労やストレスをためすぎない
頑張りすぎてしまうママが多いのも事実。あまり頑張りすぎて、疲労がたまったり、ストレスがたまると母乳を出すホルモンも出にくかったりします。
育児はスタートしたばかり。長い道のりです。しんどいときは、1回の授乳をパパや誰かに任せて、時間を気にせずぐっすり寝てみたり、美容院に行って気分をスッキリさせてみるのもいいことです。リラックスする時間、休息する時間を作ってみましょう。
水分をしっかり摂る
母乳は血液でできているので、ママの体への水分補給が必要です。
水や麦茶を飲んでいるママも多いけれど、血流はよいほうがいいので胃腸を冷やさない温かい飲み物もオススメ。
青汁・甘酒・ハーブティなどもオススメです。1日2Lを目安に飲みましょう。
血流をよくするハーブティは、母乳分泌量を増やしたり、乳腺が詰まるなどの乳腺炎予防、そして授乳中に便秘になりやすいママの便秘改善にも役立つので特におすすめです。たまごクラブなど雑誌でも紹介されているママにおすすめハーブティをご紹介です。冷やしても、温かくしても飲めるハーブティです。
これは〝母乳育児にハーブティ”のという市場を作り上げるもとになった商品で、使用している原料すべてが英国オーガニック認証または農薬を使わずに栽培されたハーブというのが嬉しい品です。
ハーブティのなかでは、一番おすすめできるものですので興味がある方はのぞいてみてください。
入浴であたたまる
産後1ヵ月は入浴不可なので、足浴などで足首もしっかり温めて。それだけでも温まって血流がよくなります。
根菜類を食べる
バランスよく食べるのが基本だけど、その際にゴボウ・ダイコン・イモ類・レンコンなど土の中で育つ根菜類も取り入れるよう意識してみましょう。土の中で育つ野菜は、体を中から温めてくれます。
昼寝をする
特に『夕方に出にくい』というママは、昼寝をすると夕方の出にくさが改善されることがあるので試してみてください。
ミルクを足しすぎない
十分な量の母乳が出ていないときはミルク補足をしますが、必要以上に足さないようにしましょう。
ミルクは消化に時間を要します。必要以上に飲ませ、本来、母乳をあげたい時間に飲んでくれないと母乳の間隔が開いてしまいます。母乳の間隔が開くとママの体は〝あれ?いらなかった?”と考え、母乳を作る量を減らしてしまいます。一度くらい間隔が開いたからと言って焦る必要はありませんが、一日の授乳回数が減ってしまわないようにしましょう。
基本の増やす方法はしている!『もっと増やしたい』ときは?
頻回授乳、栄養や水分も摂ってる、休養もとれてる、それでもまだもっと増やしたいというときありますよね。
そんなときは、授乳後に〝空っぽになったかな?”とママが感じる程度まで搾乳しましょう!
母乳の基本として、ママの体は『出て行った量以上の母乳を作ろう』とします。実際には、空っぽにはなりませんが〝もう出ない?”と感じるところがあるのでその辺りまで搾乳しましょう。
母乳の後に搾乳して、それを飲ませようと思うと搾乳を焦ってしまうので、次の母乳の後に搾乳を飲ませるといいです。母乳をあげるときに、先ほど搾乳していたものを哺乳瓶ごと湯煎しておき、母乳が終わったらその搾乳の温度を確めて飲ませる⇒赤ちゃんが落ちついたら搾乳をして、また次の母乳後にあげれるように冷蔵庫に入れておく。そういう流れがオススメです。
搾乳は手でもいいし、搾乳器でも構いません。搾乳器も手動でも電動でも、ママがやりやすい方法で構いません。搾乳のメリットや効果的な方法などを搾乳の記事にまとめているので、参考にしてください。
おっぱいの張りがなくなった
1ヵ月健診の頃によく受ける質問として、「おっぱいが出なくなっていませんか?」という質問がよくあります。
よく聞いてみると、『おっぱいの張りがなくなった』+『赤ちゃんがよく泣くようになった』⇒『母乳が出なくなっているのかも』ということです。
産後1ヵ月くらいになると、産後に感じてたパンパンの張りなどがなくなってくることが多いです。そして生後1ヵ月頃というのは赤ちゃんはよく泣く時期でもあります。その二つが重なると『母乳が出なくなった』となり、ミルクを足す量が増えてしまいがちです。
ただ、覚えておいてほしいのは、おっぱいの張りが前ほどなくなり、吸わせると湧き出るように母乳が出るという出方に変わるママが多いです。なので母乳をあげた際に以下をチェックしてみてください。
- ゴクゴク飲んでる音がする
- 色の薄いおしっこで1日に6~8回以上おむつがしっかり濡れる
- 元気いっぱい(しっかり起きてきて機嫌よく、筋緊張もしっかり)
- 肌にツヤがあり、顔色良好
- 体重も発育曲線に沿って増えている
- うんちもしっかり出ている
上記のようなチェックポイントをクリアしていれば基本飲めています。不安なときは、産院や助産院で一度授乳状態をチェックしてもらうのも安心材料になります。
張るまで待たずに授乳を
前述通り、ママの脳は母乳が長い時間飲まれないままだと〝あれ?いらなかった?多かった?”と考え、母乳の作る量を減らします。
張るまで待ってから飲ませると、ママの脳は〝作るのはもうちょっとゆっくりペースでいいかな?”と考え、次に張ってくるまでの時間は長くなります。
張るのを待たずにどんどん授乳するのがポイントです!張る前にどんどん授乳すると、ママの脳は〝あれ?足りてない?もっと頑張って母乳作らなきゃ”と考え、どんどん母乳を作る指令を出します!張るのを待ってちゃダメですよ。
まとめ
母乳は、ママが妊娠に気づく頃から作られ始めていますが、妊娠中に母乳がにじんでくるかどうかは産後の母乳量に関係ありません。
母乳が本格的に出るには、赤ちゃんが乳輪を吸う刺激が必要で、それがママの脳に母乳を出すよう指令を出します。
産後6~8週で母乳量が安定してきますが、産後何か月からでも、母乳量を増やす刺激を与えれば母乳は作られ始めます。途中で頑張りたいと思ったママは、いつスタートしても遅くありません。
【母乳の出し方・増やし方】
- 頻回に授乳する
- しっかり乳輪までくわえさせる
- ママが疲労やストレスをためすぎない
- 水分をしっかり摂る
- 入浴であたたまる
- 根菜類を食べる
- 昼寝をする
- ミルクを足しすぎない
もっと増やしたい方は、搾乳がおすすめ。おっぱいが空っぽになると、ママの脳が〝もっと母乳作らなきゃ”と反応します。
【おっぱいのはりがなくなってきた】
産後1ヵ月頃からは、おっぱいのはりはなくなってくることが多い。はりを気にせずどんどん授乳を。
母乳は、飲んでいる量が目にみえないだけに不安を感じるママは、とても多いです。不安は母乳の分泌量を下げてしまうので、不安解消できる部分は色んなものを活用して不安を除去していきましょう。
私自身は助産師をしていて、〝母乳栄養は最高”という学びもしてきていますが、1万組以上のママに関わって思うのは、赤ちゃんにとって最高の栄養は〝ママの笑顔”です。ママが育児を楽しんでこそ、赤ちゃんのこころの栄養にもつながります。
母乳で不安なとき、もう少し母乳を増やしたいけどうまくいかないとき、1人で困るときには産院や助産院を頼ってください。ママが思い描いている育児に近づけるように助産師が一緒に考え、根拠のある方法を提案できます。
今後も、母乳の増やし方など育児についても様々な記事をあげていきますので、一緒に成長しましょう!
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