立ち会い出産を考えているけれど、「本当に必要?」「夫はどうすればいいの?」と悩んでいませんか?
本記事では、助産師の筆者が、立ち会い出産の基礎知識からメリット・デメリット、夫の役割や事前準備、当日の流れまでをわかりやすく解説します。
初めて出産を迎えるご夫婦にも安心して立ち会い出産していただけるよう、実際の現場の声やポイントも交えながらご紹介しています。
立ち会い出産を成功させ、かけがえのない思い出にするため、ぜひ最後までご覧ください。
*当サイトは、プロモーションを含みます
立ち会い出産の基礎知識

立ち会い出産とは出産に夫や家族が立ち会うこと
立ち会い出産とは、赤ちゃんが生まれる瞬間に夫やパートナー、家族が分娩室に入り、出産を共に見守ることを指します。近年では多くの出産施設で立ち会いが可能になり、特に夫が立ち会うケースが増えています。
ママとって出産は、心身ともに大きな負担がかかる一大イベント。そんなときに信頼できる人がそばにいるだけで、安心感や心強さを感じられることも多いのです。立ち会う側にとっても、命の誕生というかけがえのない瞬間に立ち会うことで、家族としての絆や命の尊さを深く実感できる貴重な体験となります。
ただし、立ち会い出産には施設によってルールや制限があり、すべてのケースで可能とは限りません。また、立ち会うかどうかは夫婦の気持ちや出産の状況によっても異なります。無理に立ち会うことが正解ではありませんので、お互いの希望や気持ちをしっかり話し合って決めていくことが大切です。
立ち会い出産が普及した背景
立ち会い出産が広まった背景には、家族のかたちや出産に対する考え方の変化があります。かつては出産に男性が関わることはほとんどありませんでしたが、現在では「夫婦で出産を迎える」「家族で命の誕生を支える」という価値観が重視されるようになりました。
また、出産を通じて育児への関心や父親としての自覚が高まることから、産院や行政も立ち会いをサポートするようになっています。こうした流れの中で、今では立ち会い出産が選択肢のひとつとして一般的になってきています。
立ち会い出産のメリット

立ち会い出産には、夫婦や家族にとって多くのメリットがあります。助産師の立場から見ても、精神的なサポートや出産後の家族の関係に良い影響を与えることが多くあります。
夫婦の絆が深まる
- 一緒に出産を乗り越えることで、パートナーシップが強化される
- 妻の頑張る姿に触れ、夫が尊敬や感謝の気持ちを抱くことも多い
- 出産を迎える辛い時期に、夫がしっかり妻のサポートをすることで、妻からの信頼感が増すこともある
妻に安心感を与えられる
- 出産中の不安や痛みに寄り添ってくれる存在がそばにいることで、リラックスしやすくなる
- 心の支えがあることで、出産を乗り越えるメンタル面の力になることもある
命の誕生の瞬間を共有できる
- 赤ちゃんが生まれた瞬間の感動を一緒に味わえる
- 出産という人生の大きな出来事を共有することで、家族としての意識がより強まる
立ち会い出産のデメリット
立ち会い出産には多くのメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットやリスクもあります。事前に知っておくことで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防ぐことができます。
夫が精神的にショックを受ける可能性がある
出産の現場は、想像以上に壮絶な場面になることもあったり、苦しむ妻の姿や出血などを目の当たりにし、動揺したり気分が悪くなる夫も少なくありません。
精神的なショックが後を引くケースもあるため、事前に出産のリアルを学ぶことが大切です。
妻が夫に幻滅する可能性がある

頼りにしていたのに、ただ立っているだけだった

冗談を言って緊張を和らげようとしてくれたけど、イラッとした
といった声も。
立ち会いは嬉しいけれど、サポートの仕方によってはかえってストレスになることもあります。夫婦にとって素晴らしい経験になり得ますが、お互いの理解と準備があってこそ成功するものです。
デメリットも正しく理解し、無理のない選択をすることが大切です。
立ち会い出産前にやるべきこと

出産施設でのルールを確認する
立ち会い出産が可能かどうかは産院によって異なります。また立ち会いが可能でも「夫のみ」「家族1名のみ」など人数や条件に制限があることもあります。
産院は、生まれたての赤ちゃんもいることから、感染症対策(コロナ対策など)による一時的な制限を継続していることもあるため、事前に必ず確認しましょう。
📝 チェックポイント
- 立ち会いの可否、人数
- 立ち会える人の条件(例:事前講習受講、健康状態など)
- 分娩室に入れるタイミング(陣痛時から/分娩時のみ)
出産に関する知識を深める
出産の流れや分娩時の状況を知らずに立ち会うと、驚いたり戸惑ったりする可能性があります。夫婦で一緒に母親学級や両親学級に参加するのがおすすめで、呼吸法やマッサージ、声かけの仕方など、立ち会い中に夫が妻にできるサポートを学んでおくと安心です。
おすすめの準備方法
- 両親学級やオンライン講座への参加
- 出産ドキュメンタリーや産院の資料を一緒に見る
- 不明点は事前に、助産師へ相談や質問をしておく
しっかりとした準備があれば、立ち会う側も心に余裕を持って出産に臨めます。「何をすればいいのかわからない」という状態をなくすことが、結果的に妻への安心感にもつながります。
立ち会い出産に必要なもの

立ち会い出産当日は、突然始まることもあるため、必要なものを事前に準備しておくことが大切です。ここでは、妻の入院グッズに加え、立ち会う夫自身が準備すべきものもリストアップしました。
入院グッズ
出産に備えて、以下のものをあらかじめマザーズバッグなどにまとめておくと安心です。
- 母子健康手帳、保険証、診察券
- 入院書類一式
- パジャマや産褥ショーツ、授乳用ブラジャー
- ガーゼ、タオル、洗面道具(産院に備付がないか要確認)
- 飲み物(ストロー付きのペットボトルキャップが便利)
- スマホの充電器
- 軽食(陣痛中に食べやすいゼリーなど)
- 赤ちゃんの肌着や退院時の洋服
※最低限のものを記載してみましたが、出産施設ごとに持ち物リストが異なるため、事前に確認しましょう。
夫自身のための準備
立ち会う側も長時間になることがあるため、身軽かつ実用的な持ち物を準備しておきましょう。
- 清潔な服装(産院指定があれば従う)
- 飲み物や軽食(長時間待機になることも)
- スマホと充電器(連絡・記録用)
- ハンドタオル(妻の汗をふく)
- 小銭(自販機や駐車場用)
- 必要に応じてスリッパや上履き
📌 ポイント
- 分娩室に持ち込める荷物は限られている場合があるため、必要最小限にまとめることが大切です
- 香水や強いにおいのする整髪料はNGなこともあるので注意しましょう
しっかり準備を整えておくことで、出産当日に焦らず冷静に対応でき、妻へのサポートにも余裕が持てます。
立ち会い出産の流れと夫の役割
出産は「突然始まる」ことも多く、流れを事前に理解しておくことで、夫も落ち着いて行動できるようになります。ここでは出産当日から分娩、赤ちゃん誕生の瞬間までの一般的な流れと、その中での夫の役割をご紹介します。
出産当日までの流れ
陣痛が始まった・破水した場合
- 妻が陣痛や破水に気づく
- 病院へ連絡し、入院の判断
- 入院後、分娩の進行状況を見ながら立ち会いのタイミングが決まる
🧑🤝🧑 夫の役割
- 病院への連絡をサポート(連絡は妻自身にしてもらう)
- 妻の移動・入院準備を手伝う
- 忘れ物チェック、入院バッグの持参
分娩中の夫の役割
分娩室に入ってからは、妻の心の支えになることが一番の役目です。
📌 夫ができること
- 呼吸法やいきみ逃しのサポート(声かけ・手を握る・背中をさする など)
- 医療スタッフの指示に従い、必要があれば手伝う
- 緊張を和らげる優しい声かけ
- 汗を拭いてあげたり、陣痛の合間に水分補給を妻に促す
- 無理に話しかけず、妻の状態をよく観察
💡 ポイント
「なにかしてあげなきゃ」と思いすぎなくても大丈夫。
ただ“そばにいる”だけでも安心感につながります。
夫がしてはいけないこと
出産中、夫の行動が妻の負担になることもあります。以下のようなことは避けましょう。
🚫 NG行動
- カメラやスマホでの無断撮影(撮影OKかどうか、産院に確認を)
- 軽い冗談や不適切な発言(妻の集中力を削いでしまう)
- あくびや疲れた態度(妻はそれどころではありません)
- 妻が苦しんでいる最中に「怖いよね」などと不安をあおる声かけ
出産の主役は妻と赤ちゃん。夫は“見守る”サポーターとして、静かに、そして温かく寄り添うことが何よりも大切です。
立ち会い出産を成功させるためのポイント
立ち会い出産をより良いものにするためには、夫婦のコミュニケーションと計画的な準備が欠かせません。以下のポイントを意識して、お互いが安心して当日を迎えられるようにしましょう。
夫婦間でしっかり話し合う
立ち会い出産に対するお互いの気持ちや不安を素直に伝え合う時間を持つようにしましょう。
出産のどんな場面で夫にそばにいてほしいか、逆にどんなときは一人で頑張りたいか、どんなことをしてほしいかなどの希望をすり合わせることで、夫婦間でのイメージ共有ができます。
緊急時や想定外の事態が起こった場合の対応も話し合っておくと安心です。
バースプランを作成する
出産に関する希望やお願いを書き出した計画書を作ることをおすすめします。産院自体で提出を促して用紙が準備されていることも多いですが、準備されていなくても、人生にそんなに多くは経験できない貴重な出産を想像し、ママやパパがどんなお産をしたいか、紙に書きだしてみましょう。
バースプランには夫の役割や立ち会い時の希望、出産後のサポートについても記載すると分かりやすい。
医療スタッフにも共有しておくと、皆で同じ方向を目指しやすくなります。
夫婦が事前にしっかり準備し、コミュニケーションを重ねることで、立ち会い出産はかけがえのない経験に変わります。
不安があれば助産師や医師にも遠慮なく相談し、安心できる環境を整えましょう。
まとめ
立ち会い出産は、夫婦や家族にとって命の誕生を一緒に体験できる貴重な機会です。夫がそばにいることで、妻に安心感を与え、夫婦の絆を深めることが期待できます。しかし、精神的な負担や戸惑いを感じる場合もあるため、メリット・デメリットを理解したうえで、お互いの気持ちを尊重し、無理のない形で立ち会うことが大切です。
事前に出産施設のルールを確認し、出産に関する知識を共有しながら準備を進めることで、当日は落ち着いて出産に臨めます。また、夫自身の持ち物や役割をしっかり把握し、サポートに努めましょう。
最後に、立ち会い出産を成功させるためには、夫婦間での十分な話し合いとバースプランの作成が欠かせません。助産師や医療スタッフとも連携しながら、安心・安全な出産を目指してください。
コメント