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立ち会い出産でパパがやるべきこと・知っておきたいこと~助産師が具体的にアドバイス~【助産師監修】

夫婦にとって最も大きなライフイベントの一つである出産。出産の際、立ち会いを考えるパパは多く、大切な命の誕生を2人で迎える素晴らしい瞬間となります。

「わが子の誕生する瞬間をこの目で見届けよう!」と考えているパパ!見学者になるだけではなく、痛みを必死で乗り越えようとするママのサポートをすることが非常に大切です。この記事では、パパが出産に立ち会う際に知っておきたいことや、サポートの方法、パパの役割などを具体的に解説します。

目次

出産前に知っておくべきこと

病院のシステム

ママが入院した際、入院時に一緒に病院に行けるとは限りません。パパが、1人で病院に行くことも大いにあるので、出産を予定している病院の立ち会い手続きや面会のルール(時間や病院への入り方など)、規則やシステムも事前に確認しておきましょう。電話番号も控えておいてください。

お産の進み方

陣痛に必死で耐えているママを見ているだけでは、何が起こっているのか、これからどうなるのかが分からず、困惑します。子宮の口が何センチくらい開けば全開なのか、赤ちゃんはどのように産道を進むのか、陣痛の乗り切り法、何時間位かかるのかなどを知ったうえで、パパも覚悟を決めて一緒に陣痛を乗り越えましょう。

ママ(パートナー)の気持ち

妊娠中や出産時、体も心も、とてもデリケートです。 ママが不安な痛みを感じた瞬間、その感情に共感し、適切なサポートをすることが重要です。ただ側にいて、静かに寄り添うことが求められることもあります。

実際どのような出産がしたいか、どのようなサポートをしてほしいか、ママの出産イメージを陣痛が始まる前に、しっかり話し合って確認しておきましょう。

特に初めての出産の場合は、陣痛が始まるとママ自身のイメージと過ごし方も変わることが多くあります。付き添ってくれるだけでいいと思っていても、マッサージしてほしいとなることもあったり、逆もあります。その時々で、ママの痛みの辛さや症状に合わせて、ママが望むサポートができるよう付き添う気持ちが必要です。

パパ自身の心の準備も必要

立ち会い出産は、感動的な瞬間である一方、非常に激しい経験でもあります。出産の場面では痛みだけでなく、血液などを目にすることも大いにあります。心構えができていないと、緊張や恐怖を感じてしまうかもしれません。 とりあえず自分の限界を見据えて、無理と感じるときには近くにいる助産師や医療スタッフに、その旨をしっかり伝えることが大切です。

出産の流れにおけるパパの役割

出産が始まったら、パパがどのようなサポートをすべきかについて段階ごとに解説します。

陣痛期のサポート

陣痛が始まると、ママは次第に痛みが強くなり、繰り返し続く痛みに、終わりが見えない感じがして不安になります。この段階でのパパの役割が、とても大切ですので一つずつ、パパがするべきことを見ていきましょう。

精神的サポート

精神的にサポートできると、ママの心の負担が減ります!痛みのときに、ママがどうしてほしいのかを聞きながら、ママの痛みの緩和をおこなってください。以下のようなことが望まれることが多いです。

痛み緩和のマッサージ

痛みの部分、ママが「ここ」というポイントをマッサージしてあげましょう。腰と言われることが多いですが、おなかをさすってほしいと言われることもあります。少し力を入れてさすってあげるくらいが心地いいでしょう。

マッサージでさする他に、親指などでグ~っと押してほしいと言われることもあります。

お産が進んで、赤ちゃんが少しずつ出口に向かっておりてくると、マッサージしてほしい位置も変わってきたりします。どこがいいか時々確認しながらおこないましょう。

「さわらないで」と言われることもあるので、言われたときは見守りましょう。

飲み物を与える

陣痛は、ず~っと痛いわけではありません。頻回に痛みがくるようになりますが、必ずおさまっている時間があります。痛みがおさまっているときに、飲み物を少しずつ飲めるよう与えてあげましょう。

食事が摂れていない場合は、ジュースやゼリーなどでも構わないので少しカロリーが摂れるものを与えてください。『カロリーを摂ることが必要』と覚えておいて、パパが意識してカロリーを与えましょう。

寝たままでも水分補給が可能なストロー付きのペットボトルキャップが大変便利ですので準備しておきましょう。

出典:amazon

寝たままで飲みやすいロングストロー付きペットボトルキャップ

これは必需品と言ってもよいくらい大活躍します。陣痛から出産後まで、色んな体勢や寝て過ごす際も、陣痛が頻繁にくるときも、ちょっとした合間に水分補給ができます。

ほとんどの妊婦さんが出産準備品として持参されます。

一つ準備しておきましょう。

陣痛が今おさまってるというところを見計らって、ママの口元にストローを持って行く水分補給を促すのがパパの役割です。

体位のサポート

ずっと同じ姿勢では辛いので、クッションを使ったりしながらママに座ってみたり、色んな体勢を促して楽な姿勢を探しながら過ごしましょう。

リラックスを促す

痛みがおさまっているときには、水分補給を促すほか、ママの呼吸に合わせて一緒に深呼吸したり、そろそろ陣痛がくるというときを見計らって深呼吸の声掛けをしたりしましょう。

陣痛がおさまったときには、汗をふいてあげ、頑張っていることをほめてあげましょう。

移動のサポート

陣痛の間にもトイレへ行ったりすることが大切です。膀胱と子宮は前後にあるので、膀胱が空っぽになると赤ちゃんは産道をおりてきやすくなります。膀胱にパンパンにおしっこがたまっていると、赤ちゃんが進もうとする産道が水風船で狭められているようなイメージです。膀胱を空にするため、定期的にトイレに行く際、一緒に付き添ってあげましょう。

トイレへ行く途中、陣痛がきたら、その場で腰のマッサージなどをしてあげてください。

出産期のサポート

この段階では、赤ちゃんがいよいよ産道を通って外に出てきます。ママにとっては最も体力を消耗する瞬間です。ここでのパパの役割は、物理的なサポートよりも、精神的な励ましが中心となります。

  • 励ましと声かけ:呼吸やいきみのタイミングを助産師や医師が指導しますが、その指示に従ってママをサポートすることが重要です。自信を持って出産に挑めるようになります。
  • 落ち着いて横に寄り添う:出産期はママにとってはとても苦しい時間ですが、パパが落ち着いていることで、ママ自身も安心感を得られます。

後産期のサポート

赤ちゃんが無事に生まれた後、胎盤が排出される「後産期」があります。 ママは出産の疲労と、まだ続く痛みを感じることが多いです。 この時期も引き続き、パパのサポートは欠かせません。

  • ママへの感謝と労い:出産が終わったママは、体力的にも精神的にも非常に疲れています。 感謝の気持ちを言葉にして、ママを労うことが大切です。 「ありがとう」という言葉が、ママにとっての大きな支えとなります。
  • 赤ちゃんとの初対面:出産直後、赤ちゃんを初めて迎える瞬間はとても感動的です。ママが疲れている場合、パパが赤ちゃんを最初に抱っこすることもあります。

3. 出産後のサポート

出産後もパパのサポートは続きます。 特に、ママは出産後すぐに体力を回復できるわけではないうえ、赤ちゃんを育てていた体とはホルモンバランスが急激に変化するため、日常生活や育児においてもパパの協力が求められます。

3.1 入院中のサポート

出産後、ママと赤ちゃんは数日間入院することが一般的です。この間、パパができるサポートは以下の通りです。

産院に入院中も、可能な状況であればパパも一緒に様々な下記のようなことをおこなって育児技術を習得しましょう。

  • オムツ替えができるよう習得
  • ママが授乳をする際には、クッションなどでママと赤ちゃんの体勢を整えるお手伝い
  • ミルクをあげる場合は、パパがミルクの作り方を習得、赤ちゃんに哺乳瓶で授乳をする
  • 授乳のあとには、赤ちゃんにゲップをさせ、もう一度オムツの確認をする

ママの直接授乳(おっぱい)以外は、パパでもできるよう育児技術の習得を心がけましょう。

その他、ママが入院中にほしいものや必要なものがあれば、リクエストにこたえてあげてください。

3.2 退院後のサポート

退院後は、赤ちゃんと一緒に家での生活が始まります。 この時期は、ママが精神的に一緒に回復するまでの間、パパが育児や家事を積極的にサポートすることが重要です。

  • 育児の分担:授乳はママの役割となることが多いですが、オムツ替えや寝かしつけ、家事などはパパが主体的に行いましょう。 特に夜間の赤ちゃんの世話は負担が大きいため、交代で対応するなどして、ママの睡眠時間も確保してあげることが大切です。
  • ママの心のケア:産後うつやホルモンバランスの変化により、ママが精神的に不安定になることがあります。 ママの気持ちに寄り添い、話を聞いたり、感情の変化に寄り添うことで、安心を与えることができます。精神的な安定をはかるにも、休息が大切だったりしますので、ゆっくり休める時間も確保してあげましょう。

出産立ち会いにおける注意点

出産に立ち会う際には、いくつかの注意点があります。これらを守ることで、出産がスムーズに進むだけでなく、パパも安心して出産を見守ることが可能となるので、しっかりと心得ておきましょう。

医療スタッフの指導

出産の際には、医師や助産師がママの状態を細かくチェックし、必要な場合には適切な助言・指導をします。パパもこの指示を受け入れ、無理に介入せず、必要な場面でのサポートに徹しましょう。

ママの意向を尊重

出産はママと赤ちゃんが主役です。ママがどのようなサポートを求めているのかを尊重しましょう。たとえば、腰をマッサージしてほしいという場合でも、腰のどこをマッサージしてほしいのか、さすってほしいのか、グッと押さえてほしいのかなど、ママにどうすれば痛みが和らぐか確認しながらサポートするのがベストです。

緊急時に冷静に対処する

出産には予期せぬ事態が起こることもあります。例えば、緊急帝王切開や赤ちゃんの状態に問題がある場合などです。その場合は、緊急を要することが多いので、医師や助産師など医療スタッフの指示をよく聴き、その場に対応することが求められます。

パパが立ち会うことで得られるメリット

パパが出産に立ち会うことには、多くのメリットがあります。 立ち会い出産は、ママや赤ちゃんとの絆を深める重要な体験であり、家族としての新たな出発点となります。このセクションでは、パパが立ち会うことで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

感動的な家族の瞬間を共有できる

出産は夫婦にとって特別な瞬間です。 パパが立ち会うことで、新しい命の誕生を一緒に体験でき、夫婦の絆がより確かなものになります。 この瞬間を共有することで、パパも「父親」になるという実感を持ちやすくなります。

ママの心のサポート

出産は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかる場面です。 パパがそばにいることで、ママは心強く感じ、安心感を得られます。パパのサポートや励ましは、出産時のストレスや痛みを軽減することができ、ママとの絆が深まります。

父親としての自覚が芽生える

実際に誕生の瞬間を目にすることで、子どもの成長や家族の役割に対して、より責任感を持つことができるでしょう。

ママのニーズに迅速に対応できる

出産中、ママが必要とするものやサポートがある場合、パパがその場にいることで迅速に対応することができます。例えば、ママが必要とする飲み物などを与えたり、痛みを和らげるようマッサージしたり、医師や助産師にママの状態を伝える役割などが挙げられます。

赤ちゃんとの初期の絆形成

出産に立ち会うことで、パパも子どもとの絆を早くから築くことができます。

もちろん、出産に立ち会うことで感動を得る場合もありますが、家族としての一体感を得る貴重な機会になるでしょう。

出産に立ち会ったパパの感想

赤ちゃんの誕生というかけがえのない瞬間を目に当てにして、ママを支えるという重要な役割を果たすことで、父親としての自覚がでたり、人生に大きな感動をもたらします。ここでは、実際に立ち会って出産を経験したパパたちの感想をまとめてみました。


「感動で涙が止まらなかった」

「最初は正直、立ち会うことに少し不安がありました。自分にできるのか、気絶しないか心配だったんです。でも、出産が始まると妻がしっかりと痛みに耐えて、赤ちゃんが誕生した瞬間、喜びと感動が押し寄せ、自然と涙がこぼれました。」


「パートナーへの感謝の気持ちがわいた」

「出産がこんなに大変だったとは想像していませんでした。妻が痛みに耐え、何時間も陣痛に苦しんでいる姿を見て、彼女の強さと忍耐力に本当に興奮しました。出産後は、妻に対する感謝と尊敬の気持ちがさらに大きくなりました。命をかけて子どもを産んでくれたことに対して、一生感謝し続けます。」


「父親としての存在が芽生えた」

「正直なところ、妊娠中は父親になる認識があまりありませんでした。でも、赤ちゃんが誕生する瞬間を目にした時、自分も本当に父親になったんだという認識が一気に湧き上がり、その命を守り続ける責任と愛情が同時に湧いてきました。」


「無力さを感じつつも、そばにいることが大切だと知った」

「出産が進む中で、妻が耐えているのに自分は何もできないという無力感に打ちひしがれていました。でも、妻は『そばにいてくれるだけで安心する』と言ってくれたんです。その言葉を聞いて、自分の役割は何かをすることではなく、ただそこにいて支えていることだと気づきました。」

立ち会いでのネガティブな感想

ここからは実際、立ち会った際に聞かれたネガティブな感想も掲載します。そうならないために心構えをして、イメージトレーニングしておきましょう。

「実際の出産はショックだった」

「正直、出産がこんなに大変で辛いものだとは思っていませんでした。テレビや映画で見るものとは違う、血や痛みに満ちていて、正直ショックを受けました。 」

「自分の居場所がないと感じた」

「出産中、助産師さんや医師の指示に従おうとしていたのですが、狭い分娩室で自分の居場所がなく、どうしても邪魔になっているのではないかと感じました。 何をすれば良いのかも迷いました。何もせずにただ立っているだけで良いのか、もしかしたらもっと何かできるのか、とても戸惑いました。」

「想像以上に長時間で、かなり疲れた」

「出産は想像以上に長時間で、夜通し分娩が続きました。妻が一番大変だったのですが、私も立ち続けてサポートし続けたので、正直かなり疲れました。出産が終わった後、喜びついでに大きな疲労感がありました。」

出産に立ち会ってネガティブな感情に支配されないために、パパも事前に覚悟を持っておくことが大切です。 出産は肉体的にも精神的にも大変ですが、パパもしっかり出産までの流れを学んで、イメージをし、覚悟を決めておくことで、その場での不安や戸惑いは半分以下になります。病院や市町村で開催される出産準備教室などを受講し出産の流れを知り、 サポートの仕方を学ぶことで、自信を持って立ち会うことできます。-

まとめ

立ち会い出産は、パパにとっても家族にとっても貴重な経験です。パパが出産に参加することで、ママとの絆が深まり、新しい命を迎える瞬間を一緒に共有することができます。また、サポートする立場としての役割を果たすことで、精神的にも物理的にも大きな支えとなるでしょう。

立ち会い出産で大切なのは、ママの状況に合わせて冷静に行動し、必要なサポートを行うことです。事前に出産の流れや基本的な知識を学び、ママとしっかりコミュニケーションをとることが成功のカギとなります。パパが積極的に出産に関わることで、家族としての一体感が強まり、子育てのスタートを共に切ることができるでしょう。

不安や緊張もあるかもしれませんが、命の誕生という感動的な瞬間を共有することで、その経験が一生の宝物となるはずです。ぜひ、パパとしての役割をしっかり果たし、家族の新しい一歩をサポートしてください。

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