新生児期は、赤ちゃんにとって人生のはじまり。見えるもの、聞こえる音、感じる触れ合いのすべてが、赤ちゃんの脳や感覚の発達に影響を与えます。そんな繊細な時期だからこそ、遊び方ひとつにも思いやりと工夫が必要です。
「新生児ってまだ寝てばかりじゃないの?」「どんなふうに関わればいいのか分からない」と感じるママやパパも多いですが、やさしい刺激を心地よいタイミングで与えることで、赤ちゃんは安心感を覚え、心と体の成長につながります。
本記事では、新生児との遊びで大切なこと、赤ちゃんがよろこぶ効果的な遊び方、発達を促すおもちゃの選び方、そして遊ぶ際に気をつけたいポイントまで、育児初心者の方にも分かりやすくまとめました。親子で過ごすかけがえのない時間が、より楽しく、より心地よいものになりますように。
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新生児と遊ぶときに大切なこと

新生児の発達に合わせる
新生児との遊びは、「遊び」と聞いて思い浮かべるような活発なものではありませんが、実は赤ちゃんの心や体の発達にとってとても大切な時間です。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ視力も聴力も未熟で、刺激に対する反応も限られています。そのため、赤ちゃんの発達段階に合わせた遊び方を心がけることが大切です。
生まれてすぐの赤ちゃんの特徴
新生児期(生後0〜1か月頃)の赤ちゃんは、
- 視力は20~30cmほどの距離がぼんやり見える程度
- 音に対して反応はあるものの、聞き分けはまだできない
- 表情や動きはまだ少なく、眠っている時間がほとんど
といったように、まだ外の世界に慣れていく段階です。そんな時期の赤ちゃんには、過度な刺激は逆効果になることもあります。
発達に合った遊びのポイント
- 顔を見せながらやさしく話しかける
- 赤ちゃんはお母さん・お父さんの声や表情を少しずつ覚えていきます。抱っこしたままゆったりと話しかけたり、笑顔で目を見てあげたりするだけで立派な「遊び」です。
- やさしい音や歌を聞かせる
- 子守唄や静かな音楽、ガラガラなどのやさしい音のおもちゃは、赤ちゃんの聴覚を刺激します。大きすぎる音や突然の音は避け、安心できる音を選びましょう。
- ゆっくりとした動きで遊ぶ
- 赤ちゃんの目の前でガラガラを左右にゆっくり動かしてあげる、手や足をそっと触ってあげるなど、ゆっくりとしたペースで関わるのがコツです。赤ちゃんが驚かないように、反応を見ながらやさしく行いましょう。
赤ちゃんの反応をよく観察する
新生児はまだ自分の気持ちをうまく表現できませんが、気持ちよさそうにしていたり、手足を動かしたり、じっと見つめてくれたりするのは「楽しい」「うれしい」というサインかもしれません。逆に、顔をそむけたり、泣き出したりする場合は、少し刺激が強すぎた可能性があります。そんなときは無理に続けず、赤ちゃんのペースに合わせてあげましょう。
五感の発達を促す遊びを選ぶ
新生児との遊びは、赤ちゃんの**五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)**の発達をやさしくうながすチャンスです。まだ何も分からないように見える赤ちゃんでも、外の世界からの刺激を少しずつ受け取り、成長の土台を作っています。日々の関わりの中で、赤ちゃんの五感を育むような遊びを意識して取り入れてみましょう。
視覚を育てる:見つめる・見せる遊び
新生児の視力はまだ弱く、20~30cmほどの距離しか見えません。それでも、コントラストのはっきりしたものや、ママ・パパの顔などはぼんやりと見えています。
- 赤ちゃんの顔の近くで笑いかけたり、ゆっくりと左右に顔を動かして見せる
- シンプルなモノトーンの絵や、動きのあるモビールを見せる
こうした遊びは、視覚の刺激になり、焦点を合わせる力や追視する力の発達につながります。
聴覚を育てる:話しかけ・音を聞かせる遊び
赤ちゃんはお腹の中にいた頃から音を感じていて、生まれた後もママの声を聞き分ける力を持っています。
- やさしく声をかけたり、赤ちゃんの名前を呼ぶ
- やさしいメロディの音楽や、ガラガラなどの音が鳴るおもちゃを使う
大切なのは、大きすぎない音・速すぎないテンポで、赤ちゃんが安心できる雰囲気を作ることです。
触覚を育てる:スキンシップの遊び
新生児にとって、肌と肌のふれあいはとても大事な刺激です。
- やさしく撫でたり、マッサージをする
- 手や足を「ぎゅっ」と包んで「にぎにぎ遊び」をする
お風呂の後のベビーマッサージや、おむつ替えのときのちょっとしたタッチも、すべてが触覚の発達につながります。ぜひ、おむつ替えも声をかけながら行ってあげましょう。「いっぱいおしっこ出たね!きれいにしようか。おむつ綺麗になったよ~気持ちいいねぇ」などの声掛けでOKです。
その他の感覚にも、さりげない刺激を
- 嗅覚:お母さんのにおい、ミルクのにおいなど、赤ちゃんにとっては安心できる香りが重要です。強い香水や芳香剤は避けましょう。
- 味覚:新生児期はまだ母乳やミルクしか飲みませんが、口の中の感覚を通じて「味」を体験しています。授乳もまた、味覚の第一歩です。
やさしい刺激を、心地よいタイミングで

五感を刺激するといっても、無理に何かを「させる」必要はありません。赤ちゃんがごきげんなときに、一緒に過ごす時間の中で自然に取り入れることが大切です。「これで合っているのかな?」と不安になるかもしれませんが、赤ちゃんの表情や反応を見ながら、ゆっくりと楽しんでいきましょう。
新生児との遊び方
カラフルなおもちゃを使う
新生児の視力はまだ発達途中ですが、生後1ヶ月ごろからは少しずつ色の違いがわかるようになってきます。特に赤や黄色、青といったはっきりした色には反応を示しやすいと言われています。
カラフルなおもちゃを赤ちゃんの目の前でゆっくり動かしてみましょう。目で追ったり、じっと見つめたりする様子が見られるかもしれません。まだ手で触れたり遊んだりはできませんが、「見ること」自体が赤ちゃんにとっては立派な遊びです。
ガラガラやモビール、布製のカラフルなボールなど、優しい素材でできたものを選ぶと安心です。目の前で揺らしてあげたり、軽く音を鳴らしたりすることで、視覚だけでなく聴覚の刺激にもなります。
おもちゃを使った遊びは、赤ちゃんとのコミュニケーションのひとつ。声をかけながら、「これ、赤いね」「カラカラって音がするね」と話しかけることで、赤ちゃんはママやパパの声にも安心感を覚えます。
声かけをしながら行うことで、聞いていないように見えますが、言葉も脳に蓄積していきます。【おもちゃを見せて、音を聞かせて、声をかける】赤ちゃんは様々な刺激を受け、成長します
歌や音楽を聴かせる

新生児はお腹の中にいるときからママの声や外の音を聞いて育っています。そのため、生まれてからも「音」はとても身近で心地よい刺激になります。
赤ちゃんにやさしい声で歌を歌ってあげたり、クラシック音楽や子守唄など穏やかなメロディーの音楽を聴かせてあげるのも、立派な遊びのひとつです。特別にうまく歌う必要はありません。ママやパパの声を聞くだけで、赤ちゃんは安心し、嬉しい気持ちになります。
抱っこをしながらゆったりとしたリズムで歌ってあげると、赤ちゃんもリラックスしやすくなります。おむつ替えやお風呂のときなど、日常の中で自然に取り入れてみるのもおすすめです。
赤ちゃんの反応を見ながら、お気に入りの曲やテンポを見つけていくのも楽しいですね。小さな耳で音の世界を感じながら、親子の絆もぐっと深まっていきます。
ベビーマッサージをする
ベビーマッサージは、やさしく赤ちゃんの体に触れながらスキンシップを楽しむ遊びのひとつです。赤ちゃんにとってママやパパの手のぬくもりを感じることは、大きな安心感につながります。
マッサージといっても難しく考える必要はありません。お風呂あがりやオムツ替えのあとなどに、赤ちゃんの手や足をやさしくなでたり、軽くさすってあげるだけでもOK。「気持ちいいね」「かわいいあんよだね」などと声をかけながら触れてあげることで、赤ちゃんとの心の距離もぐっと縮まります。
ベビーマッサージには、リラックス効果のほかにも、寝つきがよくなったり、便秘が改善されたりといったうれしい効果も期待できます。お腹や背中、手足をやさしくなでるようにマッサージしてあげましょう。
赤ちゃんの体調や機嫌に合わせて、無理のないタイミングで行うのがポイントです。オイルを使う場合は赤ちゃん用の低刺激なものを選び、事前にパッチテストをするなど安全にも気を配りましょう。
ベビーマッサージのやり方(簡単なステップ)

準備する
赤ちゃんが安心できる室温にし、やわらかいタオルの上に寝かせます。オイルを使う場合は、赤ちゃん用の低刺激オイルを少量手に取り、手のひらで温めます。
あんよ(足)からスタート
太ももから足首に向かって、やさしくなで下ろします。足の裏を親指でくるくると円を描くようにマッサージするのもおすすめです。
おなかをなでる
おへそを中心に「の」の字を描くように、手のひらでやさしくなでます。ガスがたまりやすい赤ちゃんのお腹を刺激して、便通のサポートにもなります。
てて(手)と腕をマッサージ
腕の付け根から手首へ向かって、やさしくなで下ろします。手のひらや指も、一本一本ていねいに触れてあげましょう。
胸と肩まわり
胸の中央から外側に向かって、ハートを描くように手を動かします。肩もやさしくなでて、赤ちゃんの上半身をほぐします。
背中をなでる(うつぶせができる場合)
赤ちゃんがうつぶせできる月齢であれば、背中も上からおしりに向かって、やさしくなで下ろします。無理せず、機嫌がよいときに行いましょう。
マッサージ中は「気持ちいいね」「かわいいね」とやさしく声をかけながら、赤ちゃんとの時間を楽しんでください。無理せず、短時間でもOKです。
手遊びをする
手遊びは、ママやパパの声や手の動きで赤ちゃんに楽しい刺激を与えることができる、シンプルで優しい遊びです。まだ自分で手を動かすことができない新生児でも、見たり聞いたりするだけで十分楽しめます。
赤ちゃんの目の前で、ゆっくりと手を動かしながら、短い歌やリズムに合わせて遊んでみましょう。優しい声と笑顔が、赤ちゃんにとっては何よりのごほうびになります。
手遊びの例
いっぽんばし こちょこちょ
「いっぽんばしこ〜ちょこちょ〜♪」と歌いながら、赤ちゃんのお腹や手足を指で軽くなぞります。最後に「たたいてつねって かいだんの〜ぼって…こちょこちょ〜!」とくすぐると、笑顔になることも。
きらきらぼし
「き〜らき〜ら ひ〜か〜る〜♪」と歌いながら、両手をパッと開いたり閉じたり。赤ちゃんの目の前で、ゆっくりと動かして見せましょう。
グーパー遊び
赤ちゃんの手をやさしくにぎって「グー」、そっと開いて「パー」と声をかけながら手を動かします。自分の手を動かすきっかけにもなります。
大きなクリの木の下で
「おおきなクリの~きのしたで~♪」と歌いながら、赤ちゃんの手を赤ちゃんの頭の上に持って行って、その手を肩、おなかとおろしてきたり、徐々にリズムを早めてみたりしてみましょう。
まだ赤ちゃんが自分で反応できなくても、繰り返し遊んでいくうちにだんだんと表情が豊かになったり、じっと見つめてくれるようになります。遊びの途中に笑顔で話しかけたり、目を合わせることも大切なコミュニケーションになりますよ。
歌を歌って、手などを動かしても見てくれてない感じがしたり、興味がないように感じるかもしれませんが、その刺激はプラスになります。おなかが減って泣いていたり、眠くて泣いているようなときではなく、落ち着いているときに、ママやパパも楽しい気持ちで遊ぶことが大切です。やらなきゃという義務感ではなく、楽しく遊ぶのがポイントです
抱っこで優しく揺らす
赤ちゃんにとって、ママやパパに抱っこされている時間は、とても安心できる大好きなひとときです。体がぴったりとくっついて、心音や呼吸を感じながら過ごすことで、赤ちゃんは心からリラックスします。
抱っこしたまま、ゆっくり左右に揺れたり、軽くステップを踏むように歩いたりするだけでも、赤ちゃんにとっては心地よい遊びになります。お腹の中で聞いていたリズムに似ていて、安心するとも言われています。
赤ちゃんがご機嫌なときは、やさしく話しかけながら揺らしてあげると、表情が和らいだり、うっとりするような反応が見られるかもしれません。ぐずっているときや眠そうなときにも、落ち着かせるのに効果的です。
長時間の抱っこはママやパパの体にも負担がかかるので、抱っこひもを使ったり、座りながらの揺れに切り替えたりして、無理なく楽しむのがおすすめです。
赤ちゃんとの心の距離がぐっと近づく、やさしいスキンシップの時間。忙しい毎日の中でも、ほんの数分でもこうした抱っこの時間をとることで、赤ちゃんの安心感につながっていきます。
効果的な新生児との遊び方
新生児との遊びはとてもシンプルで、特別なおもちゃや道具がなくても十分に楽しめます。

新生児と目を合わせる
「目を合わせること」は、赤ちゃんとの大切なコミュニケーションのひとつです。
生後すぐの赤ちゃんは、まだ視力がはっきりしていませんが、20〜30cmほどの距離ならぼんやりと顔の輪郭を見ることができます。授乳中や抱っこのときなどに、赤ちゃんとゆっくり目を合わせてみましょう。ママやパパの表情をじっと見つめたり、まばたきを真似するような動きをすることもあります。
目を合わせることで、赤ちゃんは安心感を得られたり、「人とのつながり」を感じ始めたりします。言葉を話せない時期でも、視線を通して「見てくれている」「愛されている」と感じることができるのです。
■ 目を合わせるときのコツ
顔を近づける
新生児は近くしか見えないため、顔は20〜30cmくらいまで近づけてあげましょう。赤ちゃんがこちらに視線を向けてきたらチャンスです。
表情をゆっくり動かす
にっこり笑ったり、まばたきをしてみたり、口を大きく開けて「おー」と声を出してみたり、ゆっくりした動きが赤ちゃんにはわかりやすいです。
静かな環境で試す
テレビの音や明るすぎる照明があると、赤ちゃんが集中しづらくなることがあります。なるべく静かで穏やかな空間で目を合わせる時間を持つのがポイントです。
赤ちゃんの機嫌を見ながら
お腹がすいていたり、眠たかったりすると、目を合わせる余裕がないことも。ご機嫌なタイミングを見計らって、無理せずに関わっていきましょう。
こうした目を合わせる時間は、赤ちゃんの心の土台を育てる「愛着形成」にもつながります。たとえ短い時間でも、赤ちゃんにとってはとても大切なひととき。ぜひ、ゆったりとした気持ちで楽しんでください。
優しく声かけをする
新生児はまだ言葉を理解していないように思えますが、実はママやパパの声をしっかり聞いています。おなかの中にいた頃から聞いていた声には特に反応を示し、安心感を覚えるといわれています。
そんな赤ちゃんに、日常の中でたくさん声をかけてあげることも、立派な“遊び”のひとつです。特別な言葉をかける必要はありません。「おはよう」「オムツ替えようね」「気持ちいいね〜」など、日々のちょっとした場面で、やさしい声で話しかけてみてください。
■ 声掛けのポイント
赤ちゃんの反応を楽しむ
声をかけると、手足をバタバタさせたり、「あー」「うー」と声を返してくれることがあります。たとえ反応がなくても、耳はしっかり働いているので心配いりません。繰り返し声をかけていくうちに、少しずつ反応が見られるようになります。
ゆったりとした口調で
大人同士のような早口ではなく、少しゆっくりとした、やさしいトーンが赤ちゃんには心地よく感じられます。抑揚をつけたり、歌うように話すのもおすすめです。
赤ちゃんの名前を呼ぶ
「○○ちゃん、おはよう」「○○ちゃん、ここにいるよ」など、名前をたくさん呼んであげましょう。名前を繰り返し聞くことで、自分が大切な存在なんだと感じるようになります。
目を見て話しかける
声だけでなく、目を見ながら話すことで、より一層心が通い合います。赤ちゃんがじっとこちらを見てくれる瞬間は、親にとっても幸せなひとときです。
このような日常の声掛けが、赤ちゃんの「聞く力」や「話す力」、そして心の安定につながっていきます。聞いていないように見えるときも、言葉は赤ちゃんの中にどんどん蓄積されていきます。まだ小さな赤ちゃんでも、パパやママの声はちゃんと届いています。ぜひ、たくさん話しかけて、赤ちゃんとの心のキャッチボールを楽しんでください。
ふれあいを大切にする
新生児との遊びで欠かせないのが「ふれあい」です。ママやパパのぬくもりを感じることで、赤ちゃんは大きな安心感に包まれます。抱っこやスキンシップは、赤ちゃんにとって心と体の発達を促す大切な“栄養”なのです。
ふれあいといっても、特別なことをする必要はありません。抱っこをしてやさしく揺らしたり、手足に軽く触れたり、赤ちゃんの体をなでながら声をかけたり――。そんな何気ない触れ合いの時間が、赤ちゃんとの絆を深めてくれます。

■ ふれあいのアイデア
やさしくなでる・さする
お腹や背中、手足などをやさしくなでたり、軽くマッサージしたりすると、赤ちゃんもリラックスします。肌と肌がふれあうことで、安心感とともに体の感覚も育ちます。
ハンドトリートメント遊び
赤ちゃんの手のひらをやさしく押したり、指を一本ずつ触れたりするだけでも立派なスキンシップ。「こんにちはの手だね〜」「おてて気持ちいいね」などと声をかけながら行うと、より楽しいふれあいになります。
お風呂タイムやお着替えタイムを活用
沐浴後の体を拭く時間や、お着替えのときなども、赤ちゃんの全身にやさしく触れる絶好のチャンス。焦らずゆったりとした気持ちで、赤ちゃんの反応を楽しみながらふれあってみましょう。
抱っこしながらゆったり揺れる
抱っこして軽く体を揺らすだけでも、赤ちゃんは心地よさを感じます。その揺れは、おなかの中にいたときの記憶に近く、落ち着きやすいとも言われています。
こうしたスキンシップは、赤ちゃんの情緒の安定や睡眠の質の向上にもつながるとされています。毎日少しずつ、赤ちゃんとのふれあいの時間を大切にしていきましょう。
適度に休憩をはさむ
新生児との遊びは、長く続ける必要はありません。むしろ、赤ちゃんにとってはほんの数分の関わりでも、大きな刺激になります。遊びの合間には、しっかり休憩の時間をとってあげることがとても大切です。
赤ちゃんは大人よりも刺激に敏感で、ちょっとしたふれあいや声かけでも疲れてしまうことがあります。遊びの最中に急に泣き出したり、そっぽを向いたり、あくびをしたりするのは「ちょっと疲れたよ」「休憩したいな」というサインかもしれません。
■ 赤ちゃんの「休憩サイン」を見逃さないコツ
- 目をそらす・まばたきが増える
楽しんでいたはずなのに、急に視線を外したり、まばたきの回数が増えたりしたら、ちょっと疲れてきた合図かも。 - 体を反らす・手足をばたつかせる
不快を感じていたり、刺激が強すぎたときに見せる反応です。このタイミングでいったん遊びをやめて、抱っこして落ち着かせてあげましょう。 - 急に静かになる・眠そうな様子を見せる
赤ちゃん自身が「おやすみモード」に切り替わってきたサイン。無理に遊びを続けず、そっと寝かせてあげると良いでしょう。
赤ちゃんのペースに合わせて、「遊ぶ→休む→また少し遊ぶ」というように、メリハリをつけることがポイントです。休憩時間にママやパパも一息つくことで、心に余裕をもって赤ちゃんと向き合えます。
何より大切なのは、「楽しく過ごすこと」。赤ちゃんとの時間を頑張りすぎず、肩の力を抜いて楽しみましょう。
新生児と遊ぶおもちゃの選び方
新生児向けのおもちゃを選ぶ
赤ちゃんとの遊びをもっと楽しみたいと思ったとき、やさしく寄り添ってくれるのが「おもちゃ」の存在です。でも、おもちゃならなんでもいいというわけではありません。新生児期には、新生児に合ったやさしいおもちゃを選んであげることが大切です。
新生児の視力や感覚はまだ発達途中。刺激が強すぎるものや、音が大きすぎるものは、かえって赤ちゃんを驚かせてしまうこともあります。赤ちゃんの月齢に合った、安全でシンプルなおもちゃから取り入れてみましょう。
■ 新生児におすすめのおもちゃの特徴
- はっきりした色使い(白・黒・赤など)
生まれたばかりの赤ちゃんは淡い色よりも、コントラストの強い色の方が見えやすいと言われています。モノトーンや赤など、色のメリハリがあるおもちゃは視覚を刺激してくれます。 - やわらかくて軽い素材
新生児が触れても安心なように、布やガーゼ、やわらかいプラスチックなど、軽くてやさしい素材を選びましょう。誤って口に入れても安全な構造であることも大切です。 - 音がやさしい
カラカラ、シャカシャカといった控えめな音が出るラトル(ガラガラ)や布絵本などは、新生児でも楽しめるおもちゃの代表です。音の出る方向を目で追うようになることもあります。 - 五感をやさしく刺激するもの
見る・聞く・触るといった感覚をやさしく刺激してくれるおもちゃがおすすめです。たとえば、パリパリ音がする布や、触り心地の違う素材が組み合わされた布おもちゃなどがあります。

新生児期はまだ「遊ぶ」というより、「感じる」「見つめる」「聞く」といった初期の反応を楽しむ時期。無理に使おうとせず、赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ関わっていくのがポイントです。
安全なおもちゃを選ぶ
新生児におもちゃを選ぶとき、いちばん大切なのは「安全性」です。まだ自分で物を握ったり動かしたりできなくても、いつどんな動きをするかわからないのが赤ちゃん。だからこそ、「万が一」に備えて、安全なおもちゃを選んであげることがとても重要です。
特に新生児期は、何でも口に入れて確かめようとする時期の前段階。遊び方の幅はまだ小さいですが、肌にふれる、見つめる、といった関わりの中でも、素材や作りの安全性が問われます。
■ 安全なおもちゃ選びのポイント
誤飲しないサイズ感
おもちゃの部品や本体が小さすぎると、将来的に口に入れてしまう危険があります。新生児用のおもちゃは、手のひらより大きく、丸みのある形状を選ぶと安心です。
角がなく、やわらかい素材
硬すぎたり、角張っているおもちゃは、万が一ぶつけてしまったときに危険です。布製ややわらかいシリコン素材など、肌に優しいものを選びましょう。
安全基準を満たしているか
日本の「STマーク」や、ヨーロッパの「CEマーク」など、安全基準をクリアしているおもちゃには安心感があります。ネットで購入する際などは、表示を確認してみると良いでしょう。
においや塗装にも注意
新品のおもちゃの中には、独特のにおいがあるものも。強いにおいや塗料のはがれが気になるものは避けたほうが無難です。塗装が口に入ってしまうとアレルギーや中毒の原因になることもあります。
洗いやすさ・清潔さ
新生児のおもちゃは、こまめに洗って清潔に保てるかどうかも大切なポイント。水洗いできるものや、洗濯機で洗える布製おもちゃはお世話しやすくておすすめです。
おもちゃは、赤ちゃんの好奇心や感性を育む素敵な存在。でも、その前に「安全であること」がいちばんの土台になります。パパやママが安心して渡せるおもちゃなら、赤ちゃんものびのびと遊ぶことができます。
■お世話の流れに組み込めるおもちゃを選ぶ
新生児のいる生活は、授乳やおむつ替え、沐浴などのお世話で1日があっという間に過ぎていきます。そんな日常の流れの中に、自然と“遊び”を取り入れられるおもちゃがあると、とても便利です。
「今は遊びの時間!」「何をしたらいいんだろう…」と構える必要はありません。おむつ替えのついでにチラッと見せたり、寝かせるときに手元に置いたりするだけでも、赤ちゃんにとっては十分な刺激になります。
■ 日常に取り入れやすいおもちゃの例
- ベビーベッドに取り付けられるメリー
赤ちゃんの視線の先でゆらゆら動くメリーは、寝かしつけやひとり時間のサポートにもなります。カラフルな色ややさしい音がついたものがおすすめです。 - おむつ替えスペースにガラガラや布絵本をスタンバイ
おむつ替えのたびにちょっとぐずる…というときは、小さなおもちゃを見せることで気が紛れることも。手に持って見せてあげるだけでもOKです。 - 授乳後のまったり時間に軽くふれあうおもちゃ
ミルクを飲んでリラックスしているタイミングに、やわらかいラトルやガーゼ素材のおもちゃをそっとにぎらせてみるのもおすすめ。親子のスキンシップの延長として使えます。
メリーは新生児期から使用でき、筆者宅でも3~4歳くらいまで遊んでいたオススメのおもちゃです。画像はタカラトミーのプーさんのもの。
新生児期はジッとみつめたり、月齢が進むとプーさんや低い位置にあるボタンなどに手を伸ばすようになります。立つようになれば違う視点からの遊び。
胎内音やプーさんの声、童謡、クラッシック、子守唄などが37種類流すことが出来ます。視覚・聴覚・触覚、様々な働きかけができ、育脳にもオススメ。
毎日のお世話の延長に「ちょっとした遊び」を組み込むことで、赤ちゃんも自然とおもちゃに親しんでいくようになりまよ。
■成長に合わせて長く使えるものを選ぶ
新生児期にぴったりのおもちゃを選ぶことはもちろん大切ですが、できれば月齢が進んでも使い続けられる“成長に寄り添えるおもちゃ”を選ぶのもおすすめです。
赤ちゃんはほんの1~2ヶ月でもぐんと成長します。「見るだけ」だったおもちゃに「手を伸ばす」「にぎる」「振って音を出す」など、関わり方がどんどん変わっていきます。
■ 成長とともに遊び方が変わるおもちゃの例
- ラトル(ガラガラ)
最初は大人が振って見せるところから始まり、手を伸ばすようになり、やがて自分でにぎって振るようになります。月齢に合わせて遊びが発展する代表的なおもちゃです。 - 布絵本
新生児期は“見る”だけでも十分楽しめますが、成長するとページをめくったり、音や素材を楽しんだりできるようになります。持ち運びにも便利なので、お出かけ用にも◎。 - 吊るせるタイプのおもちゃ(プレイジムなど)
寝転んで見上げる時期から、手を伸ばして触れるようになる時期まで、長く使える知育要素のあるおもちゃです。
長く使えるおもちゃは、赤ちゃんにとっても「慣れ親しんだ相棒」のような存在になりますし、ママ・パパにとってもコスパの面でうれしいポイントになります。
新生児と遊ぶときに注意すべきこと

ママ・パパの身体を休める
新生児との毎日は、授乳におむつ替え、寝かしつけに家事と、あっという間に時間が過ぎていきます。「もっと赤ちゃんと遊んであげたい」と思う気持ちはとても素敵ですが、ママやパパ自身の体と心の状態も、同じくらい大切にしてあげてくださいね。
赤ちゃんのペースに合わせて生活する新生児期は、どうしても睡眠不足になりがち。そんな中で無理に遊び時間を作ろうとすると、ママ・パパの心身が疲れてしまい、赤ちゃんとの時間を「楽しむ」どころか「こなす」ものになってしまうこともあります。
■ 「無理しない」がいちばんのポイント
- 赤ちゃんが寝ているときは、できるだけ一緒に休む
家事のことが気になっても、まずは自分の体を優先することが、結果的に赤ちゃんのためにもなります。 - 遊び時間は“ながら”でもOK
洗濯物をたたみながら声をかける、抱っこしながら鼻歌をうたう、そんな“ながら遊び”でも赤ちゃんはちゃんと喜びを感じています。 - 「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎない
赤ちゃんとの関わりに正解はありません。今日は何もできなかった…と思っても、赤ちゃんがそばにいて、ママやパパのぬくもりを感じていれば、それで十分です。
心と体に余裕があるときのほうが、赤ちゃんとのふれあいも自然に楽しくなります。「遊んであげる」ではなく、「一緒に過ごす」くらいの気持ちで、ゆったり構えていきましょう。
無理に関わらせようとしない
赤ちゃんとの遊びには、「こうしなきゃ」「たくさん刺激を与えないと」と思ってしまいがちですが、大切なのは“赤ちゃんのペース”を尊重することです。無理に笑わせようとしたり、長く遊ぼうとしたりすると、赤ちゃんが疲れてしまったり、不快に感じてしまうこともあります。
新生児は、大人から見れば「まだ何もできない」ように見えるかもしれませんが、音や光、触れること、匂いなど、たくさんの情報を日々吸収しています。たとえ笑ったり反応を返してこなかったとしても、赤ちゃんはしっかり感じて、学んでいる最中なんです。
■ 赤ちゃんのサインに気づいてあげる
- 視線を外す・そっぽを向く
遊びが長くなってきたり、刺激が強すぎるときのサインです。そんなときは、そっと関わりをゆるめてあげましょう。 - ぐずる・泣き出す・体をそらす
これは「ちょっと休ませてほしいな」のサイン。無理に続けるのではなく、抱っこしたり、静かな場所で落ち着かせてあげましょう。 - 反応が薄い・ぼんやりしている
実は、集中しているときや、少しお疲れ気味のときに見られることも。あせらず、そっと見守ってあげるのが◎です。
■ 「遊び=コミュニケーション」くらいの気持ちで
遊びの時間は、赤ちゃんとママ・パパが“つながる”ための大切なひととき。でも、たくさん笑わせたり、何か「成果」が見える必要はありません。ただそばにいて、やさしく話しかけたり、ゆっくり目を合わせるだけでも、赤ちゃんにとってはうれしい刺激です。
赤ちゃんの反応を無理に引き出そうとせず、「今日はこのくらいでちょうどよかったね」と、ふたりのペースを大切にしてあげてください。
安全を第一に考える
赤ちゃんとの遊びは楽しく、心温まるものですが、安全が最優先であることを忘れてはいけません。特に新生児期は体がとても小さく、まだしっかりした筋力がついていないため、少しの刺激でも不安定になったり、危険な状況を引き起こす可能性があります。遊びの中でも、赤ちゃんの安全を守るために注意深く対応しましょう。
■ 安全に配慮した遊び方
周りに危険物がないかチェック
赤ちゃんが触れるおもちゃや場所に、誤って飲み込むことができる小さな部品や鋭いもの、硬いものがないか確認してください。家具の角にクッションをつけたり、床に落ちた小さな物をすぐに拾うことも大切です。
おもちゃの選び方に注意する
前の章でも触れたように、おもちゃが小さすぎると誤飲のリスクが高まります。必ず「新生児向け」と記載されたものを選び、部品が外れにくいか、きちんと安全基準をクリアしているか確認しましょう。
赤ちゃんをしっかりと支える
新生児はまだ自分で姿勢を保つことができません。抱っこやお座りのサポートをする際は、しっかりと支えてあげることが重要です。突然の首のぐらつきや、予想外の動きにも対応できるよう、常に赤ちゃんを安定した状態で支えましょう。
赤ちゃんが過度に疲れていないか確認
赤ちゃんが遊んでいる間も、疲れていないか、ぐずったり泣いたりし始めたらすぐに休憩をとることが大切です。疲れすぎると、転倒したり不快感を感じてしまうこともあるので、赤ちゃんの様子に注意を払いましょう。
安全な遊び環境を作る
赤ちゃんが遊ぶ場所は、柔らかい床にマットを敷いたり、安定した場所で遊ばせることが大切です。床に直接寝かせて遊ばせる場合は、清潔で安全な環境を確保してください。
遊びの中で危険を避けるためには、ママ・パパのちょっとした心配りがとても大切です。安全を守ることが、赤ちゃんとの楽しい時間をさらに安心で素敵なものにします。遊びのひとときを、安心して楽しむために、日々の確認や準備をしっかり行いましょう。
新生児の興味を尊重する
新生児は、まだ自分の好みや興味を言葉で伝えることができませんが、行動や反応を通じて、少しずつ「今、何に興味があるのか」がわかるようになります。大切なのは、その興味を尊重してあげることです。赤ちゃんが何に興味を持っているかを観察し、その反応を大切にすることで、遊びがもっと楽しいものになります。
■ 赤ちゃんのサインを見逃さない
- 目を輝かせて見つめるもの
赤ちゃんが特定のおもちゃや音にじっと目を向けたり、興味深そうに見つめたりすることがあります。その瞬間を逃さず、赤ちゃんが興味を持っているものにもっと触れさせてあげると、より深い関わりが生まれます。 - 体を動かす反応
音や動くものに興味を示して、体をそちらに向けたり、手を伸ばしたりすることもあります。そうした反応に合わせて、少し遊びを続けてみましょう。ただし、赤ちゃんが疲れている様子が見られたら、すぐに遊びをやめて、休ませてあげることも忘れずに。 - 反応がない時も大丈夫
反応が薄いときや、少し退屈そうにしている時は、無理に遊ばせようとせず、その時の赤ちゃんの気持ちに寄り添ってあげましょう。無理に遊ばせると、逆に赤ちゃんが嫌がったり、不快になったりすることがあります。
■ 赤ちゃんが興味を持ちそうなものを提供する
- 視覚的な刺激を提供
赤ちゃんはまだ視力が発達途中ですが、白・黒・赤といったコントラストがはっきりしたものに興味を示すことが多いです。モノトーンの絵本やおもちゃ、カラフルな布などは、赤ちゃんの目を引きやすく、興味を引き出すきっかけとなります。 - 音の刺激を与える
やさしい音が出るおもちゃ(ラトルや鈴など)や、穏やかな音楽が流れるメリーなども、赤ちゃんの好奇心を引きやすいアイテムです。赤ちゃんが目を輝かせて音の方向に反応しているのを見て、楽しい時間が広がります。
■ 赤ちゃんが楽しんでいるペースで進める
新生児はまだ自分のペースで遊びをコントロールすることができませんが、赤ちゃんが楽しそうにしているときは、そのペースに合わせて遊びを進めてあげると良いでしょう。あまり長時間続ける必要はなく、短い時間でも集中して遊ぶことができます。
赤ちゃんの興味を尊重することが、遊びの中での大切なポイントです。赤ちゃんが喜んでいるサインを見逃さず、その瞬間に寄り添ってあげることで、より深いコミュニケーションが生まれます。無理に関わらせることなく、赤ちゃんが感じている「今、面白い」「楽しい」と思う気持ちを大切にしていきましょう。
まとめ
新生児との遊びは、特別な道具や難しいことをしなくても大丈夫。赤ちゃんのペースに寄り添いながら、やさしい声かけやふれあいを通じて、安心感と愛情をたっぷり伝えることが何より大切です。ちょっとした表情の変化や手足の動きも、赤ちゃんからのサイン。毎日の何気ないやりとりが、赤ちゃんの心と体をゆっくりと育てていきます。
今回ご紹介した遊び方やおもちゃの選び方、注意点を参考に、赤ちゃんとの時間をもっと楽しく、もっと心地よく過ごしてみてください。新生児期の今だからこそ味わえる、愛おしい瞬間がたくさんあります。ひとつひとつのふれあいを大切に、育児の時間を楽しんでいきましょう。
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